心霊写真の真相A
幽霊は実在するのか?しないのか?
ウィリアム・クルックスの熱心な心霊写真の研究
やがて米国の心霊熱は海を越えて英国に伝わり、この国においても多くの研究者が現れた。中でも有名なのは、英国王立協会の会長で物理学者としても超一流のウィリアム・クルックス ( 1832〜1919 ) である。彼は、新金属元素タリウムを発見し、放射計を発明したことで科学史に残っている人物である。また、陰極線の研究で陰極線が微小粒子からなることを発見して、後の真空管発達の基をなしたことでも知られている。
彼の心霊研究は、女性の超能力者、フローレンス・クックによってケティ・キングと名乗る幽霊が出現するのを観察記録するというものであった。彼は繰り返し現れるケティと会話をし、それを記録するだけではなく、沢山の写真まで撮っている。
今日、彼のことを記す百科事典や伝記には、「一時的に心霊現象の研究に熱中した」などと、まるで彼の心霊研究が気まぐれで価値のないものであったかのように書いてあるが、これは心霊研究を蔑視する者の捏造である。一時的どころか彼は常に、「私はこれらの心霊現象が可能であるというのではない。心霊現象は存在しているというのである」と断言し、その言動は生涯を通じて変わらなかった。もちろん心霊研究も生涯を貫き通して死んでいったのである。
このクルックスの真摯な心霊研究が多くの科学者に影響を与えたこともあり、彼が50歳の1882年には、ロンドンに心霊研究協会が設立された。
初代の会長にケンブリッジ大学の哲学の教授、ヘンリー・シジウィックが就任し、その後、心理学者のウイリアム・ジェームス、化学者のオリバー・ . ロッジ、生理学者のリシェ、哲学者のベルグソン等々、世界的に著名な学者が会長の任に就き、心霊研究の発展に尽した。
協会は現在、ロンドン市ケンジントン、アダム・イブ・ミューズ1番地にある。イギリスに続いて1890年には、フランスにも心霊研究協会が設立され、心霊の科学的研究がなされるようになった。更にドイツ、イタリアでも一流の科学者達が研究するようになり、次第にヨーロッパの多くの国々の大学に超心理学の研究所や講座が設けられるようになっていった。
引用元
「死後の存在」
著者: 中根繁
発行所: 真流一の会
p101〜p112
※ 真流一の会の許可を得て掲載しいている文章です。
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