心霊写真の真相C
世界中で目撃されている幽霊
幽霊とは
三世(前世と現世と後世をいう)を証明する上で重要な役割を果すのが幽霊(仏教では幽霊とはいわず、中有の五蘊とか、中有界の衆生というのが正しいのだが、説明上分かりやすくする為、ここでは幽霊という言葉で通すことにする)の存在である。幽霊といえば、柳の下で白い着物を着た女が、頭に三角巾をつけ、両手首を前にだらりと下げて、恨めしそうにじいっとこちらを見ている姿を想像しがちだが、これは日本画家が作ったものである。
実際の幽霊は、『倶舎論』の「分別世間品」に詳しい。それによると、幽霊の世界は中有界といわれるところである。中有界とは中間に有る世界ということで、人間界と次に生まれる世界の中間に有る境界をいう。中有界に生まれる形式は化生である。胎生、すなわち受胎して生まれてくる形式しか経験していない人間にとって、化生はいたって分かりづらいものといえるが、これを多少とも理解するには、夢のごときものと思ったらよい。夢は一夜限りの短いものだが、そこには自分をはじめとして実に様々な人や動物達が登場して去って行く。そしてそのいずれもが、例外なく忽然と現れ、忽然と消え去る。
不思議といえば不思議な生じ方だが、このような生まれ方を化生というのである。中有界に生まれた衆生の寿命は短く、大体7日から77日(49日)である。死後、7日、49日と法要を営むのは、中有の寿命からきているのである。しかし中には、10年、20年と長逗留する幽霊もいるから、中有の寿命は一定でないというのが正しい。
形はというと「本有形」である。本有形とは次生の形をいうのだから、次生、犬に生まれる者は犬の形をし、人間に生まれる者は人間の形をしているということである。そして多くが、寝た姿や、座った姿や、頭下足上の逆とんぼの姿をしているという。寝た姿は畜生、座った姿は人間、頭下足上の姿は地獄に生まれる形だが、ほとんどの者は頭下足上の姿で下ばかり眺めているのである。
引用元
「死後の存在」
著者: 中根繁
発行所: 真流一の会
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